はじめに
「夢のカウンセラー」という考えは、キリスト教における二つの深い問いを突きつけます。神は夢を通して語られるのか、もしそうなら弟子はそのような体験をどのように受け取り解釈すべきか。聖書には重要だった夢もあれば、そうでなかった夢も記されていますが、聖書は夢の辞書ではなく、すべての像を翻訳する単一で普遍的なコードを与えるものではありません。代わりに、聖書は物語的パターン、象徴的言語、そして我々の識別を形づくる神学的原則を提供します。謙遜で聖書中心のアプローチは、神が夢を用いる現実と、それを誤読する危険性の両方を尊重します。
聖書における象徴性
聖書を通して、夢はしばしば啓示、指導、警告の手段として機能します。いくつかのよく知られた物語は、神が夢を用いて未来の出来事を示すこと、召命についての洞察を与えること、または緊急の指示を与えることを示しています。夢に関する聖書の証言は、神の主権、賢明な解釈の必要性、そして契約共同体の内で確認を求める必要性といった反復する神学的テーマを指し示します。
1ヤコブは父の寄留の地、すなわちカナンの地に住んだ。 2ヤコブの子孫は次のとおりである。ヨセフは十七歳の時、兄弟たちと共に羊の群れを飼っていた。彼はまだ子供で、父の妻たちビルハとジルパとの子らと共にいたが、ヨセフは彼らの悪いうわさを父に告げた。 3ヨセフは年寄り子であったから、イスラエルは他のどの子よりも彼を愛して、彼のために長そでの着物をつくった。 4兄弟たちは父がどの兄弟よりも彼を愛するのを見て、彼を憎み、穏やかに彼に語ることができなかった。 5ある時、ヨセフは夢を見て、それを兄弟たちに話したので、彼らは、ますます彼を憎んだ。 6ヨセフは彼らに言った、「どうぞわたしが見た夢を聞いてください。 7わたしたちが畑の中で束を結わえていたとき、わたしの束が起きて立つと、あなたがたの束がまわりにきて、わたしの束を拝みました」。 8すると兄弟たちは彼に向かって、「あなたはほんとうにわたしたちの王になるのか。あなたは実際わたしたちを治めるのか」と言って、彼の夢とその言葉のゆえにますます彼を憎んだ。 9ヨセフはまた一つの夢を見て、それを兄弟たちに語って言った、「わたしはまた夢を見ました。日と月と十一の星とがわたしを拝みました」。 10彼はこれを父と兄弟たちに語ったので、父は彼をとがめて言った、「あなたが見たその夢はどういうのか。ほんとうにわたしとあなたの母と、兄弟たちとが行って地に伏し、あなたを拝むのか」。 11兄弟たちは彼をねたんだ。しかし父はこの言葉を心にとめた。
1二年の後パロは夢を見た。夢に、彼はナイル川のほとりに立っていた。 2すると、その川から美しい、肥え太った七頭の雌牛が上がってきて葦を食っていた。 3その後、また醜い、やせ細った他の七頭の雌牛が川から上がってきて、川の岸にいた雌牛のそばに立ち、 4その醜い、やせ細った雌牛が、あの美しい、肥えた七頭の雌牛を食いつくした。ここでパロは目が覚めた。 5彼はまた眠って、再び夢を見た。夢に、一本の茎に太った良い七つの穂が出てきた。 6その後また、やせて、東風に焼けた七つの穂が出てきて、 7そのやせた穂が、あの太って実った七つの穂をのみつくした。ここでパロは目が覚めたが、それは夢であった。 8朝になって、パロは心が騒ぎ、人をつかわして、エジプトのすべての魔術師とすべての知者とを呼び寄せ、彼らに夢を告げたが、これをパロに解き明かしうる者がなかった。 9そのとき給仕役の長はパロに告げて言った、「わたしはきょう、自分のあやまちを思い出しました。 10かつてパロがしもべらに向かって憤り、わたしと料理役の長とを侍衛長の家の監禁所にお入れになった時、 11わたしも彼も一夜のうちに夢を見、それぞれ意味のある夢を見ましたが、 12そこに侍衛長のしもべで、ひとりの若いヘブルびとがわれわれと共にいたので、彼に話したところ、彼はわれわれの夢を解き明かし、その夢によって、それぞれ解き明かしをしました。 13そして彼が解き明かしたとおりになって、パロはわたしを職に返し、彼を木に掛けられました」。 14そこでパロは人をつかわしてヨセフを呼んだ。人々は急いで彼を地下の獄屋から出した。ヨセフは、ひげをそり、着物を着替えてパロのもとに行った。 15パロはヨセフに言った、「わたしは夢を見たが、これを解き明かす者がない。聞くところによると、あなたは夢を聞いて、解き明かしができるそうだ」。 16ヨセフはパロに答えて言った、「いいえ、わたしではありません。神がパロに平安をお告げになりましょう」。 17パロはヨセフに言った、「夢にわたしは川の岸に立っていた。 18その川から肥え太った、美しい七頭の雌牛が上がってきて葦を食っていた。 19その後、弱く、非常に醜い、やせ細った他の七頭の雌牛がまた上がってきた。わたしはエジプト全国で、このような醜いものをまだ見たことがない。 20ところがそのやせた醜い雌牛が、初めの七頭の肥えた雌牛を食いつくしたが、 21腹にはいっても、腹にはいった事が知れず、やはり初めのように醜かった。ここでわたしは目が覚めた。 22わたしはまた夢をみた。一本の茎に七つの実った良い穂が出てきた。 23その後、やせ衰えて、東風に焼けた七つの穂が出てきたが、 24そのやせた穂が、あの七つの良い穂をのみつくした。わたしは魔術師に話したが、わたしにそのわけを示しうる者はなかった」。 25ヨセフはパロに言った、「パロの夢は一つです。神がこれからしようとすることをパロに示されたのです。 26七頭の良い雌牛は七年です。七つの良い穂も七年で、夢は一つです。 27あとに続いて、上がってきた七頭のやせた醜い雌牛は七年で、東風に焼けた実の入らない七つの穂は七年のききんです。 28わたしがパロに申し上げたように、神がこれからしようとすることをパロに示されたのです。 29エジプト全国に七年の大豊作があり、 30その後七年のききんが起り、その豊作はみなエジプトの国で忘れられて、そのききんは国を滅ぼすでしょう。 31後に来るそのききんが、非常に激しいから、その豊作は国のうちで記憶されなくなるでしょう。 32パロが二度重ねて夢を見られたのは、この事が神によって定められ、神がすみやかにこれをされるからです。 33それゆえパロは今、さとく、かつ賢い人を尋ね出してエジプトの国を治めさせなさい。 34パロはこうして国中に監督を置き、その七年の豊作のうちに、エジプトの国の産物の五分の一を取り、 35続いて来る良い年々のすべての食糧を彼らに集めさせ、穀物を食糧として、パロの手で町々にたくわえ守らせなさい。 36こうすれば食糧は、エジプトの国に臨む七年のききんに備えて、この国のためにたくわえとなり、この国はききんによって滅びることがないでしょう」。
1ネブカデネザルの治世の第二年に、ネブカデネザルは夢を見、そのために心に思い悩んで眠ることができなかった。 2そこで王は命じて王のためにその夢を解かせようと、博士、法術士、魔術士、カルデヤびとを召させたので、彼らはきて王の前に立った。 3王は彼らにむかって、「わたしは夢を見たが、その夢を知ろうと心に思い悩んでいる」と言ったので、 4カルデヤびとらはアラム語で王に言った、「王よ、とこしえに生きながらえられますように。どうぞしもべらにその夢をお話しください。わたしたちはその解き明かしを申しあげましょう」。 5王は答えてカルデヤびとに言った、「わたしの言うことは必ず行う。あなたがたがもしその夢と、その解き明かしを、わたしに示さないならば、あなたがたの身は切り裂かれ、あなたがたの家は滅ぼされる。 6しかし、その夢とその解き明かしとを示すならば、贈り物と報酬と大いなる栄誉とを、わたしから受けるだろう。それゆえその夢とその解き明かしとを、わたしに示しなさい」。 7彼らは再び答えて言った、「王よ、しもべらにその夢をお話しください。そうすればわたしたちはその解き明かしを示しましょう」。 8王は答えて言った、「あなたがたはわたしが言ったことは、必ず行うことを承知しているので、時を延ばそうとしているのを、わたしは確かに知っている。 9もしその夢をわたしに示さないならば、あなたがたの受ける刑罰はただ一つあるのみだ。あなたがたは一致して、偽りと、欺きの言葉をわたしの前に述べて、時の変るのを待とうとしているのだ。まずその夢をわたしに示しなさい。そうすれば、わたしはあなたがたがその解き明かしをも、示しうることを知るだろう」。 10カルデヤびとらは王の前に答えて言った、「世の中には王のその要求に応じうる者はひとりもありません。どんな大いなる力ある王でも、このような事を、博士、法術士、カルデヤびとに尋ねた者はありませんでした。 11王の尋ねられる事はむずかしい事であって、肉なる者と共におられない神々を除いては、王の前にこれを示しうる者はないでしょう」。 12これによって王は怒り、かつ大いに憤り、バビロンの知者をすべて滅ぼせと命じた。 13この命令が発せられたので、知者らは殺されることになった。またダニエルとその同僚をも殺そうと求めた。 14そして王の侍衛の長アリオクが、バビロンの知者らを殺そうと出てきたので、ダニエルは思慮と知恵とをもってこれに応答した。 15すなわち王の高官アリオクに「どうして王はそんなにきびしい命令を出されたのですか」と言った。アリオクがその事をダニエルに告げ知らせると、 16ダニエルは王のところへはいっていって、その解き明かしを示すために、しばらくの時を与えられるよう王に願った。 17それからダニエルは家に帰り、同僚のハナニヤ、ミシャエルおよびアザリヤにこの事を告げ知らせ、 18共にこの秘密について天の神のあわれみを請い、ダニエルとその同僚とが、他のバビロンの知者と共に滅ぼされることのないように求めた。 19ついに夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。 20ダニエルは言った、「神のみ名は永遠より永遠に至るまでほむべきかな、知恵と権能とは神のものである。 21神は時と季節とを変じ、王を廃し、王を立て、知者に知恵を与え、賢者に知識を授けられる。 22神は深妙、秘密の事をあらわし、暗黒にあるものを知り、光をご自身のうちに宿す。 23わが先祖たちの神よ、あなたはわたしに知恵と力とを賜い、今われわれがあなたに請い求めたところのものをわたしに示し、王の求めたことをわれわれに示されたので、わたしはあなたに感謝し、あなたをさんびします」。 24そこでダニエルは、王がバビロンの知者たちを滅ぼすことを命じておいたアリオクのもとへ行って、彼にこう言った、「バビロンの知者たちを滅ぼしてはなりません。わたしを王の前に連れて行ってください。わたしはその解き明かしを王に示します」。 25アリオクは急いでダニエルを王の前に連れて行き、王にこう言った、「ユダから捕え移した者の中に、その解き明かしを王にお知らせすることのできる、ひとりの人を見つけました」。 26王は答えて、ベルテシャザルという名のダニエルに言った、「あなたはわたしが見た夢と、その解き明かしとをわたしに知らせることができるのか」。 27ダニエルは王に答えて言った、「王が求められる秘密は、知者、法術士、博士、占い師など、これを王に示すことはできません。 28しかし秘密をあらわすひとりの神が天におられます。彼は後の日に起るべき事を、ネブカデネザル王に知らされたのです。あなたの夢と、あなたが床にあって見た脳中の幻はこれです。 29王よ、あなたが床におられたとき、この後どんな事があろうかと、思いまわされたが、秘密をあらわされるかたが、将来どんな事が起るかを、あなたに知らされたのです。 30この秘密をわたしにあらわされたのは、すべての生ける者にまさって、わたしに知恵があるためではなく、ただその解き明かしを、王にお知らせすることによって、あなたが心に思われたことを、お知りになるためです。 31王よ、あなたは一つの大いなる像が、あなたの前に立っているのを見られました。その像は大きく、非常に光り輝いて、恐ろしい外観をもっていました。 32その像の頭は純金、胸と両腕とは銀、腹と、ももとは青銅、 33すねは鉄、足の一部は鉄、一部は粘土です。 34あなたが見ておられたとき、一つの石が人手によらずに切り出されて、その像の鉄と粘土との足を撃ち、これを砕きました。 35こうして鉄と、粘土と、青銅と、銀と、金とはみな共に砕けて、夏の打ち場のもみがらのようになり、風に吹き払われて、あとかたもなくなりました。ところがその像を撃った石は、大きな山となって全地に満ちました。 36これがその夢です。今わたしたちはその解き明かしを、王の前に申しあげましょう。 37王よ、あなたは諸王の王であって、天の神はあなたに国と力と勢いと栄えとを賜い、 38また人の子ら、野の獣、空の鳥はどこにいるものでも、皆これをあなたの手に与えて、ことごとく治めさせられました。あなたはあの金の頭です。 39あなたの後にあなたに劣る一つの国が起ります。また第三に青銅の国が起って、全世界を治めるようになります。 40第四の国は鉄のように強いでしょう。鉄はよくすべての物をこわし砕くからです。鉄がこれらをことごとく打ち砕くように、その国はこわし砕くでしょう。 41あなたはその足と足の指を見られましたが、その一部は陶器師の粘土、一部は鉄であったので、それは分裂した国をさします。しかしあなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、その国には鉄の強さがあるでしょう。 42その足の指の一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。 43あなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、それらは婚姻によって、互に混ざるでしょう。しかし鉄と粘土とは相混じらないように、かれとこれと相合することはありません。 44それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。これはいつまでも滅びることがなく、その主権は他の民にわたされず、かえってこれらのもろもろの国を打ち破って滅ぼすでしょう。そしてこの国は立って永遠に至るのです。 45一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と、青銅と、粘土と、銀と、金とを打ち砕いたのを、あなたが見られたのはこの事です。大いなる神がこの後に起るべきことを、王に知らされたのです。その夢はまことであって、この解き明かしは確かです」。 46そこでネブカデネザル王はひれ伏して、ダニエルを拝し、供え物と薫香とを、彼にささげることを命じた。 47そして王はダニエルに答えて言った、「あなたがこの秘密をあらわすことができたのを見ると、まことに、あなたがたの神は神々の神、王たちの主であって、秘密をあらわされるかただ」。 48こうして王はダニエルに高い位を授け、多くの大いなる贈り物を与えて、彼をバビロン全州の総督とし、またバビロンの知者たちを統轄する者の長とした。 49王はまたダニエルの願いによって、シャデラクとメシャクとアベデネゴを任命して、バビロン州の事務をつかさどらせた。ただしダニエルは王の宮にとどまっていた。
1バビロンの王ベルシャザルの元年に、ダニエルは床にあって夢を見、また脳中に幻を得たので、彼はその夢をしるして、その事の大意を述べた。 2ダニエルは述べて言った、「わたしは夜の幻のうちに見た。見よ、天の四方からの風が大海をかきたてると、 3四つの大きな獣が海からあがってきた。その形は、おのおの異なり、 4第一のものは、ししのようで、わしの翼をもっていたが、わたしが見ていると、その翼は抜きとられ、また地から起されて、人のように二本の足で立たせられ、かつ人の心が与えられた。 5見よ、第二の獣は熊のようであった。これはそのからだの一方をあげ、その口の歯の間に、三本の肋骨をくわえていたが、これに向かって『起きあがって、多くの肉を食らえ』と言う声があった。 6その後わたしが見たのは、ひょうのような獣で、その背には鳥の翼が四つあった。またこの獣には四つの頭があり、主権が与えられた。 7その後わたしが夜の幻のうちに見た第四の獣は、恐ろしい、ものすごい、非常に強いもので、大きな鉄の歯があり、食らい、かつ、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは、その前に出たすべての獣と違って、十の角を持っていた。 8わたしが、その角を注意して見ていると、その中に、また一つの小さい角が出てきたが、この小さい角のために、さきの角のうち三つがその根から抜け落ちた。見よ、この小さい角には、人の目のような目があり、また大きな事を語る口があった。 9わたしが見ていると、もろもろのみ座が設けられて、日の老いたる者が座しておられた。その衣は雪のように白く、頭の毛は混じりもののない羊の毛のようであった。そのみ座は火の炎であり、その車輪は燃える火であった。 10彼の前から、ひと筋の火の流れが出てきた。彼に仕える者は千々、彼の前にはべる者は万々、審判を行う者はその席に着き、かずかずの書き物が開かれた。 11わたしは、その角の語る大いなる言葉の声がするので見ていたが、わたしが見ている間にその獣は殺され、そのからだはそこなわれて、燃える火に投げ入れられた。 12その他の獣はその主権を奪われたが、その命は、時と季節の来るまで延ばされた。 13わたしはまた夜の幻のうちに見ていると、見よ、人の子のような者が、天の雲に乗ってきて、日の老いたる者のもとに来ると、その前に導かれた。 14彼に主権と光栄と国とを賜い、諸民、諸族、諸国語の者を彼に仕えさせた。その主権は永遠の主権であって、なくなることがなく、その国は滅びることがない。 15そこで、われダニエル、わがうちなる霊は憂え、わが脳中の幻は、わたしを悩ましたので、 16わたしは、そこに立っている者のひとりに近寄って、このすべての事の真意を尋ねた。するとその者は、わたしにこの事の解き明かしを告げ知らせた。 17『この四つの大きな獣は、地に起らんとする四人の王である。 18しかしついには、いと高き者の聖徒が国を受け、永遠にその国を保って、世々かぎりなく続く』。 19そこでわたしは、さらに第四の獣の真意を知ろうとした。その獣は他の獣と異なって、はなはだ恐ろしく、その歯は鉄、そのつめは青銅であって、食らい、かつ、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。 20この獣の頭には、十の角があったが、そのほかに一つの角が出てきたので、この角のために、三つの角が抜け落ちた。この角には目があり、また大きな事を語る口があって、その形は、その同類のものよりも大きく見えた。 21わたしが見ていると、この角は聖徒と戦って、彼らに勝ったが、 22ついに日の老いたる者がきて、いと高き者の聖徒のために審判をおこなった。そしてその時がきて、この聖徒たちは国を受けた。 23彼はこう言った、『第四の獣は地上の第四の国である。これはすべての国と異なって、全世界を併合し、これを踏みつけ、かつ打ち砕く。 24十の角はこの国から起る十人の王である。その後にまたひとりの王が起る。彼は先の者と異なり、かつ、その三人の王を倒す。 25彼は、いと高き者に敵して言葉を出し、かつ、いと高き者の聖徒を悩ます。彼はまた時と律法とを変えようと望む。聖徒はひと時と、ふた時と、半時の間、彼の手にわたされる。 26しかし審判が行われ、彼の主権は奪われて、永遠に滅び絶やされ、 27国と主権と全天下の国々の権威とは、いと高き者の聖徒たる民に与えられる。彼らの国は永遠の国であって、諸国の者はみな彼らに仕え、かつ従う』。 28その事はここで終った。われダニエルは、これを思いまわして、非常に悩み、顔色も変った。しかし、わたしはこの事を心に留めた」。
20彼がこのことを思いめぐらしていたとき、主の使が夢に現れて言った、「ダビデの子ヨセフよ、心配しないでマリヤを妻として迎えるがよい。その胎内に宿っているものは聖霊によるのである。 21彼女は男の子を産むであろう。その名をイエスと名づけなさい。彼は、おのれの民をそのもろもろの罪から救う者となるからである」。
13彼らが帰って行ったのち、見よ、主の使が夢でヨセフに現れて言った、「立って、幼な子とその母を連れて、エジプトに逃げなさい。そして、あなたに知らせるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが幼な子を捜し出して、殺そうとしている」。 14そこで、ヨセフは立って、夜の間に幼な子とその母とを連れてエジプトへ行き、 15ヘロデが死ぬまでそこにとどまっていた。それは、主が預言者によって「エジプトからわが子を呼び出した」と言われたことが、成就するためである。
これらの箇所は、像を確実なメッセージに変換するための公式を教えるものではありません。むしろ、聖書における夢がより大きな契約的文脈の中に埋め込まれていることを示します――神の民に対する御旨と列国に対する御業。聖書における解釈者たち(ヨセフ、ダニエル、その他)は、神の摂理の内で用いられる器として示されており、彼らの成功は魔術ではなく、祈りによる識別、道徳的完全性、そして神の主権への服従によるものでした。
聖書の伝統における夢
聖書は夢を、神が語る可能性のある一つの手段として扱いますが、同時に霊的経験は試され、信仰共同体と聖書の権威に対して責任を負うべきだとも主張します。キリスト教神学は歴史的に、神の働きに対する開放性と霊的誤りへの注意の両方を強調してきました。
『神がこう仰せになる。終りの時には、わたしの霊をすべての人に注ごう。そして、あなたがたのむすこ娘は預言をし、若者たちは幻を見、老人たちは夢を見るであろう。
愛する者たちよ。すべての霊を信じることはしないで、それらの霊が神から出たものであるかどうか、ためしなさい。多くのにせ預言者が世に出てきているからである。
すべてのものを識別して、良いものを守り、
これらの参照は、夢が神の継続的な働きの一部であり得ることを思い起こさせつつ、それらが試されなければならないことを告げます。聖書は教会を、あらゆる内的経験を無批判に受け入れることから保護し、信徒に聞いたことを神の啓示された言葉と照合し、成熟したキリスト者の助言を求めるよう呼びかけます。
夢の聖書的解釈の可能性
1. 神の導きや使命を伝える手段としての夢
一貫した聖書的パターンの一つは、夢が直接的な導きの手段として機能することです――召命を示すため、守るため、または緊急の指示を与えるためなどです。そのような場合、夢の解釈の枠組みは、聖書を通して表された主の御旨と、状況や共同体の識別によって確認されるものです。
1二年の後パロは夢を見た。夢に、彼はナイル川のほとりに立っていた。 2すると、その川から美しい、肥え太った七頭の雌牛が上がってきて葦を食っていた。 3その後、また醜い、やせ細った他の七頭の雌牛が川から上がってきて、川の岸にいた雌牛のそばに立ち、 4その醜い、やせ細った雌牛が、あの美しい、肥えた七頭の雌牛を食いつくした。ここでパロは目が覚めた。 5彼はまた眠って、再び夢を見た。夢に、一本の茎に太った良い七つの穂が出てきた。 6その後また、やせて、東風に焼けた七つの穂が出てきて、 7そのやせた穂が、あの太って実った七つの穂をのみつくした。ここでパロは目が覚めたが、それは夢であった。 8朝になって、パロは心が騒ぎ、人をつかわして、エジプトのすべての魔術師とすべての知者とを呼び寄せ、彼らに夢を告げたが、これをパロに解き明かしうる者がなかった。 9そのとき給仕役の長はパロに告げて言った、「わたしはきょう、自分のあやまちを思い出しました。 10かつてパロがしもべらに向かって憤り、わたしと料理役の長とを侍衛長の家の監禁所にお入れになった時、 11わたしも彼も一夜のうちに夢を見、それぞれ意味のある夢を見ましたが、 12そこに侍衛長のしもべで、ひとりの若いヘブルびとがわれわれと共にいたので、彼に話したところ、彼はわれわれの夢を解き明かし、その夢によって、それぞれ解き明かしをしました。 13そして彼が解き明かしたとおりになって、パロはわたしを職に返し、彼を木に掛けられました」。 14そこでパロは人をつかわしてヨセフを呼んだ。人々は急いで彼を地下の獄屋から出した。ヨセフは、ひげをそり、着物を着替えてパロのもとに行った。 15パロはヨセフに言った、「わたしは夢を見たが、これを解き明かす者がない。聞くところによると、あなたは夢を聞いて、解き明かしができるそうだ」。 16ヨセフはパロに答えて言った、「いいえ、わたしではありません。神がパロに平安をお告げになりましょう」。 17パロはヨセフに言った、「夢にわたしは川の岸に立っていた。 18その川から肥え太った、美しい七頭の雌牛が上がってきて葦を食っていた。 19その後、弱く、非常に醜い、やせ細った他の七頭の雌牛がまた上がってきた。わたしはエジプト全国で、このような醜いものをまだ見たことがない。 20ところがそのやせた醜い雌牛が、初めの七頭の肥えた雌牛を食いつくしたが、 21腹にはいっても、腹にはいった事が知れず、やはり初めのように醜かった。ここでわたしは目が覚めた。 22わたしはまた夢をみた。一本の茎に七つの実った良い穂が出てきた。 23その後、やせ衰えて、東風に焼けた七つの穂が出てきたが、 24そのやせた穂が、あの七つの良い穂をのみつくした。わたしは魔術師に話したが、わたしにそのわけを示しうる者はなかった」。 25ヨセフはパロに言った、「パロの夢は一つです。神がこれからしようとすることをパロに示されたのです。 26七頭の良い雌牛は七年です。七つの良い穂も七年で、夢は一つです。 27あとに続いて、上がってきた七頭のやせた醜い雌牛は七年で、東風に焼けた実の入らない七つの穂は七年のききんです。 28わたしがパロに申し上げたように、神がこれからしようとすることをパロに示されたのです。 29エジプト全国に七年の大豊作があり、 30その後七年のききんが起り、その豊作はみなエジプトの国で忘れられて、そのききんは国を滅ぼすでしょう。 31後に来るそのききんが、非常に激しいから、その豊作は国のうちで記憶されなくなるでしょう。 32パロが二度重ねて夢を見られたのは、この事が神によって定められ、神がすみやかにこれをされるからです。 33それゆえパロは今、さとく、かつ賢い人を尋ね出してエジプトの国を治めさせなさい。 34パロはこうして国中に監督を置き、その七年の豊作のうちに、エジプトの国の産物の五分の一を取り、 35続いて来る良い年々のすべての食糧を彼らに集めさせ、穀物を食糧として、パロの手で町々にたくわえ守らせなさい。 36こうすれば食糧は、エジプトの国に臨む七年のききんに備えて、この国のためにたくわえとなり、この国はききんによって滅びることがないでしょう」。
20彼がこのことを思いめぐらしていたとき、主の使が夢に現れて言った、「ダビデの子ヨセフよ、心配しないでマリヤを妻として迎えるがよい。その胎内に宿っているものは聖霊によるのである。 21彼女は男の子を産むであろう。その名をイエスと名づけなさい。彼は、おのれの民をそのもろもろの罪から救う者となるからである」。
神学的可能性:夢は既に聖書が許容することを強調し、夢見人を神の啓示された御旨と一致する忠実な従順へと導くことがあり得ます。しかし、そのような解釈は暫定的であり、試されなければなりません。
2. 国や歴史についての啓示的象徴としての夢
ダニエルのような書物では、夢や幻は帝国、霊的現実、歴史に対する神の究極的主権についての象徴的真理を表現します。これらは個人的な心理報告ではなく、聖書自身の文学的世界の中にある預言的・象徴的行為です。
1ネブカデネザルの治世の第二年に、ネブカデネザルは夢を見、そのために心に思い悩んで眠ることができなかった。 2そこで王は命じて王のためにその夢を解かせようと、博士、法術士、魔術士、カルデヤびとを召させたので、彼らはきて王の前に立った。 3王は彼らにむかって、「わたしは夢を見たが、その夢を知ろうと心に思い悩んでいる」と言ったので、 4カルデヤびとらはアラム語で王に言った、「王よ、とこしえに生きながらえられますように。どうぞしもべらにその夢をお話しください。わたしたちはその解き明かしを申しあげましょう」。 5王は答えてカルデヤびとに言った、「わたしの言うことは必ず行う。あなたがたがもしその夢と、その解き明かしを、わたしに示さないならば、あなたがたの身は切り裂かれ、あなたがたの家は滅ぼされる。 6しかし、その夢とその解き明かしとを示すならば、贈り物と報酬と大いなる栄誉とを、わたしから受けるだろう。それゆえその夢とその解き明かしとを、わたしに示しなさい」。 7彼らは再び答えて言った、「王よ、しもべらにその夢をお話しください。そうすればわたしたちはその解き明かしを示しましょう」。 8王は答えて言った、「あなたがたはわたしが言ったことは、必ず行うことを承知しているので、時を延ばそうとしているのを、わたしは確かに知っている。 9もしその夢をわたしに示さないならば、あなたがたの受ける刑罰はただ一つあるのみだ。あなたがたは一致して、偽りと、欺きの言葉をわたしの前に述べて、時の変るのを待とうとしているのだ。まずその夢をわたしに示しなさい。そうすれば、わたしはあなたがたがその解き明かしをも、示しうることを知るだろう」。 10カルデヤびとらは王の前に答えて言った、「世の中には王のその要求に応じうる者はひとりもありません。どんな大いなる力ある王でも、このような事を、博士、法術士、カルデヤびとに尋ねた者はありませんでした。 11王の尋ねられる事はむずかしい事であって、肉なる者と共におられない神々を除いては、王の前にこれを示しうる者はないでしょう」。 12これによって王は怒り、かつ大いに憤り、バビロンの知者をすべて滅ぼせと命じた。 13この命令が発せられたので、知者らは殺されることになった。またダニエルとその同僚をも殺そうと求めた。 14そして王の侍衛の長アリオクが、バビロンの知者らを殺そうと出てきたので、ダニエルは思慮と知恵とをもってこれに応答した。 15すなわち王の高官アリオクに「どうして王はそんなにきびしい命令を出されたのですか」と言った。アリオクがその事をダニエルに告げ知らせると、 16ダニエルは王のところへはいっていって、その解き明かしを示すために、しばらくの時を与えられるよう王に願った。 17それからダニエルは家に帰り、同僚のハナニヤ、ミシャエルおよびアザリヤにこの事を告げ知らせ、 18共にこの秘密について天の神のあわれみを請い、ダニエルとその同僚とが、他のバビロンの知者と共に滅ぼされることのないように求めた。 19ついに夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。 20ダニエルは言った、「神のみ名は永遠より永遠に至るまでほむべきかな、知恵と権能とは神のものである。 21神は時と季節とを変じ、王を廃し、王を立て、知者に知恵を与え、賢者に知識を授けられる。 22神は深妙、秘密の事をあらわし、暗黒にあるものを知り、光をご自身のうちに宿す。 23わが先祖たちの神よ、あなたはわたしに知恵と力とを賜い、今われわれがあなたに請い求めたところのものをわたしに示し、王の求めたことをわれわれに示されたので、わたしはあなたに感謝し、あなたをさんびします」。 24そこでダニエルは、王がバビロンの知者たちを滅ぼすことを命じておいたアリオクのもとへ行って、彼にこう言った、「バビロンの知者たちを滅ぼしてはなりません。わたしを王の前に連れて行ってください。わたしはその解き明かしを王に示します」。 25アリオクは急いでダニエルを王の前に連れて行き、王にこう言った、「ユダから捕え移した者の中に、その解き明かしを王にお知らせすることのできる、ひとりの人を見つけました」。 26王は答えて、ベルテシャザルという名のダニエルに言った、「あなたはわたしが見た夢と、その解き明かしとをわたしに知らせることができるのか」。 27ダニエルは王に答えて言った、「王が求められる秘密は、知者、法術士、博士、占い師など、これを王に示すことはできません。 28しかし秘密をあらわすひとりの神が天におられます。彼は後の日に起るべき事を、ネブカデネザル王に知らされたのです。あなたの夢と、あなたが床にあって見た脳中の幻はこれです。 29王よ、あなたが床におられたとき、この後どんな事があろうかと、思いまわされたが、秘密をあらわされるかたが、将来どんな事が起るかを、あなたに知らされたのです。 30この秘密をわたしにあらわされたのは、すべての生ける者にまさって、わたしに知恵があるためではなく、ただその解き明かしを、王にお知らせすることによって、あなたが心に思われたことを、お知りになるためです。 31王よ、あなたは一つの大いなる像が、あなたの前に立っているのを見られました。その像は大きく、非常に光り輝いて、恐ろしい外観をもっていました。 32その像の頭は純金、胸と両腕とは銀、腹と、ももとは青銅、 33すねは鉄、足の一部は鉄、一部は粘土です。 34あなたが見ておられたとき、一つの石が人手によらずに切り出されて、その像の鉄と粘土との足を撃ち、これを砕きました。 35こうして鉄と、粘土と、青銅と、銀と、金とはみな共に砕けて、夏の打ち場のもみがらのようになり、風に吹き払われて、あとかたもなくなりました。ところがその像を撃った石は、大きな山となって全地に満ちました。 36これがその夢です。今わたしたちはその解き明かしを、王の前に申しあげましょう。 37王よ、あなたは諸王の王であって、天の神はあなたに国と力と勢いと栄えとを賜い、 38また人の子ら、野の獣、空の鳥はどこにいるものでも、皆これをあなたの手に与えて、ことごとく治めさせられました。あなたはあの金の頭です。 39あなたの後にあなたに劣る一つの国が起ります。また第三に青銅の国が起って、全世界を治めるようになります。 40第四の国は鉄のように強いでしょう。鉄はよくすべての物をこわし砕くからです。鉄がこれらをことごとく打ち砕くように、その国はこわし砕くでしょう。 41あなたはその足と足の指を見られましたが、その一部は陶器師の粘土、一部は鉄であったので、それは分裂した国をさします。しかしあなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、その国には鉄の強さがあるでしょう。 42その足の指の一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。 43あなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、それらは婚姻によって、互に混ざるでしょう。しかし鉄と粘土とは相混じらないように、かれとこれと相合することはありません。 44それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。これはいつまでも滅びることがなく、その主権は他の民にわたされず、かえってこれらのもろもろの国を打ち破って滅ぼすでしょう。そしてこの国は立って永遠に至るのです。 45一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と、青銅と、粘土と、銀と、金とを打ち砕いたのを、あなたが見られたのはこの事です。大いなる神がこの後に起るべきことを、王に知らされたのです。その夢はまことであって、この解き明かしは確かです」。 46そこでネブカデネザル王はひれ伏して、ダニエルを拝し、供え物と薫香とを、彼にささげることを命じた。 47そして王はダニエルに答えて言った、「あなたがこの秘密をあらわすことができたのを見ると、まことに、あなたがたの神は神々の神、王たちの主であって、秘密をあらわされるかただ」。 48こうして王はダニエルに高い位を授け、多くの大いなる贈り物を与えて、彼をバビロン全州の総督とし、またバビロンの知者たちを統轄する者の長とした。 49王はまたダニエルの願いによって、シャデラクとメシャクとアベデネゴを任命して、バビロン州の事務をつかさどらせた。ただしダニエルは王の宮にとどまっていた。
1バビロンの王ベルシャザルの元年に、ダニエルは床にあって夢を見、また脳中に幻を得たので、彼はその夢をしるして、その事の大意を述べた。 2ダニエルは述べて言った、「わたしは夜の幻のうちに見た。見よ、天の四方からの風が大海をかきたてると、 3四つの大きな獣が海からあがってきた。その形は、おのおの異なり、 4第一のものは、ししのようで、わしの翼をもっていたが、わたしが見ていると、その翼は抜きとられ、また地から起されて、人のように二本の足で立たせられ、かつ人の心が与えられた。 5見よ、第二の獣は熊のようであった。これはそのからだの一方をあげ、その口の歯の間に、三本の肋骨をくわえていたが、これに向かって『起きあがって、多くの肉を食らえ』と言う声があった。 6その後わたしが見たのは、ひょうのような獣で、その背には鳥の翼が四つあった。またこの獣には四つの頭があり、主権が与えられた。 7その後わたしが夜の幻のうちに見た第四の獣は、恐ろしい、ものすごい、非常に強いもので、大きな鉄の歯があり、食らい、かつ、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは、その前に出たすべての獣と違って、十の角を持っていた。 8わたしが、その角を注意して見ていると、その中に、また一つの小さい角が出てきたが、この小さい角のために、さきの角のうち三つがその根から抜け落ちた。見よ、この小さい角には、人の目のような目があり、また大きな事を語る口があった。 9わたしが見ていると、もろもろのみ座が設けられて、日の老いたる者が座しておられた。その衣は雪のように白く、頭の毛は混じりもののない羊の毛のようであった。そのみ座は火の炎であり、その車輪は燃える火であった。 10彼の前から、ひと筋の火の流れが出てきた。彼に仕える者は千々、彼の前にはべる者は万々、審判を行う者はその席に着き、かずかずの書き物が開かれた。 11わたしは、その角の語る大いなる言葉の声がするので見ていたが、わたしが見ている間にその獣は殺され、そのからだはそこなわれて、燃える火に投げ入れられた。 12その他の獣はその主権を奪われたが、その命は、時と季節の来るまで延ばされた。 13わたしはまた夜の幻のうちに見ていると、見よ、人の子のような者が、天の雲に乗ってきて、日の老いたる者のもとに来ると、その前に導かれた。 14彼に主権と光栄と国とを賜い、諸民、諸族、諸国語の者を彼に仕えさせた。その主権は永遠の主権であって、なくなることがなく、その国は滅びることがない。 15そこで、われダニエル、わがうちなる霊は憂え、わが脳中の幻は、わたしを悩ましたので、 16わたしは、そこに立っている者のひとりに近寄って、このすべての事の真意を尋ねた。するとその者は、わたしにこの事の解き明かしを告げ知らせた。 17『この四つの大きな獣は、地に起らんとする四人の王である。 18しかしついには、いと高き者の聖徒が国を受け、永遠にその国を保って、世々かぎりなく続く』。 19そこでわたしは、さらに第四の獣の真意を知ろうとした。その獣は他の獣と異なって、はなはだ恐ろしく、その歯は鉄、そのつめは青銅であって、食らい、かつ、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。 20この獣の頭には、十の角があったが、そのほかに一つの角が出てきたので、この角のために、三つの角が抜け落ちた。この角には目があり、また大きな事を語る口があって、その形は、その同類のものよりも大きく見えた。 21わたしが見ていると、この角は聖徒と戦って、彼らに勝ったが、 22ついに日の老いたる者がきて、いと高き者の聖徒のために審判をおこなった。そしてその時がきて、この聖徒たちは国を受けた。 23彼はこう言った、『第四の獣は地上の第四の国である。これはすべての国と異なって、全世界を併合し、これを踏みつけ、かつ打ち砕く。 24十の角はこの国から起る十人の王である。その後にまたひとりの王が起る。彼は先の者と異なり、かつ、その三人の王を倒す。 25彼は、いと高き者に敵して言葉を出し、かつ、いと高き者の聖徒を悩ます。彼はまた時と律法とを変えようと望む。聖徒はひと時と、ふた時と、半時の間、彼の手にわたされる。 26しかし審判が行われ、彼の主権は奪われて、永遠に滅び絶やされ、 27国と主権と全天下の国々の権威とは、いと高き者の聖徒たる民に与えられる。彼らの国は永遠の国であって、諸国の者はみな彼らに仕え、かつ従う』。 28その事はここで終った。われダニエルは、これを思いまわして、非常に悩み、顔色も変った。しかし、わたしはこの事を心に留めた」。
神学的可能性:夢は像を用いて、夢見人を神の王権、勢力の興亡、または神の王国に対する終末的希望についての省察へと誘うことがあり得ます。こうした像の解釈は、高慢ではなく謙遜と神学的教養を要し、秘教的な推測を避けるべきです。
3. 道徳的・良心への喚起としての夢
一部の夢は、良心の中の霊的闘争を劇化する役割を果たし、隠された恐れ、罪の意識、または渇望を意識に引き上げます。夢が人を道徳的な真剣さや悔い改めへと促すとき、それは聖書の聖さへの呼びかけと一致する方法で行われます。
まことに主なる神はそのしもべである預言者にその隠れた事を示さないでは、何事をもなされない。
神学的可能性:悔い改めを目覚めさせたり、信実な生き方への新たな従順を促したりする夢は、神が人を忠実な生活へと戻すために用いる牧会的な手段であるかもしれません。そのような解釈は、もたらす実りと神の命令との一致によって試されるべきです。
4. 自然現象または感情の処理としての夢(簡潔)
すべての夢が神学的な重みを持つわけではありません。聖書は夜間のすべての像が神からの通信であると主張しているわけではありません。聖書は最終的な権威を言葉と霊に置き、制御されない内的経験に置くものではありません。
神学的可能性:いくつかの夢は睡眠、記憶、またはストレスの普通の副産物であることがあります。慎重な夢のカウンセラーは、こうした自然な原因を霊的意義から区別しつつ、神が時に日常的な手段を用いる可能性を否定しないでしょう。
5. 予言的啓示の主張に対する注意
聖書は共同体による試験や聖書的一致を回避して私的に検証可能な予言を許容するものではありません。教会は単一の夢解釈者の主張のみに基づく霊的確信を与えることを避けなければなりません。
愛する者たちよ。すべての霊を信じることはしないで、それらの霊が神から出たものであるかどうか、ためしなさい。多くのにせ預言者が世に出てきているからである。
すべてのものを識別して、良いものを守り、
神学的可能性:夢のカウンセラーは解釈を決定的な預言として提示してはなりません。むしろ、その解釈は祈り、聖書の読解、共同体の確認を招く暫定的な神学的読解として提示されるべきです。
牧会的熟考と識別
夢に応答するか助言を求めるキリスト者は、神の言葉と共同体の知恵を優先する霊的実践へ招かれます。実践的なステップには、神への祈りによる服従、どの解釈が聖書の教えと整合するかを見るための聖書の読書、そして成熟した信徒の助言を求めることが含まれます。牧師やカウンセラーは謙遜を示し、センセーショナリズムを避け、好奇心よりも霊的形成を重視すべきです。
あなたがたのうち、知恵に不足している者があれば、その人は、とがめもせずに惜しみなくすべての人に与える神に、願い求めるがよい。そうすれば、与えられるであろう。
16聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。 17それによって、神の人が、あらゆる良いわざに対して十分な準備ができて、完全にととのえられた者になるのである。
24愛と善行とを励むように互に努め、 25ある人たちがいつもしているように、集会をやめることはしないで互に励まし、かの日が近づいているのを見て、ますます、そうしようではないか。
これらの箇所は牧会的方法を裏付けます:神に知恵を求め、解釈を聖書に形づけさせ、説明責任のために教会と関わること。識別は忍耐を含みます――確認される実りとキリストの生に対する整合を待つことであり、即時の神学的確信に走ることではありません。
結論
夢に関する聖書の資料は、豊かな象徴的パターンと神学的な注意を提供します。夢は神の語りの道具、良心の探り、あるいは単なる自然現象であり得ます。夢や夢のカウンセラーの働きに対する忠実なキリスト者のアプローチは、謙遜、聖書中心の試験、祈りの熟慮、そしてキリストの体の中での説明責任によって特徴づけられます。キリスト者が夢を解釈する時、彼らは運命の裁定者としてではなく、聖書を敬い教会を建てる方法で神の御旨を識別しようとする弟子として行動します。